陰毛大臣

人間オタク

DV

俺の中学時代の部活の顧問の先生の話

 

顧問の先生は学校中の生徒から嫌われていた。

なにかと無愛想で意見を言うと「根拠は?」と聞いてくる大人気ない態度を取る人だった。

授業中も私語は許さず、何かあるとすぐ説教をしていた。あと両生類の様な顔をして、黒霧島のTシャツを着ていた。

 

中学時代は授業なんていちいちまともに聞いてられないし、先生も態度が横暴で慕われる様な人では無かったので、この人を好き好む生徒なんて3年間で1人も見なかった。

 

 

先生が部活の顧問としてどうだったか、俺の部活時代を簡潔に話す。

 

バレー部だった俺の部活は弱小チームだった。

毎回大会は一回戦負け、現役最後の大会だけ2回戦まで進んだ記憶がある。

 

先生は1週間に一度くらいのペースでしか練習に顔を出さなかった。

外で練習していると建物の窓から不定期に顔を出し、俺らが遊んでいたりすると怒るのだ。

まるで水槽の魚をたまに見にくる感覚だった。

 

3年間通して他校との練習試合は一度も組んで貰えず、俺らは毎日サーブの練習をしたり先生が基本居ないのでドッチボールをして遊んだりしていた。

俺らは女子バレー部より弱かった。

 

 

下手な俺らも悪かったが先生はよく俺らに説教をした。

「練習やめろ、俺も顧問辞める」

と言って怒鳴り散らかして去ろうとした先生を

「ちゃんとやります、態度で示します。」

「根拠は?」

「.....。」

 

と止めようとするやりとりを何度もした覚えがある。

 

先生はボールを思い切り投げてぶつけてきたり、ボールで小突いてきたり、肩パンしたりと体罰も酷かった。今の時代体罰する先生など中々居ないので俺らはギャップにも苦しんだ。

 

そして俺が2年生になった部活の新歓期、一年生が何人か見学に来ていたが顧問が「本当にやる気無いなら帰れ」という旨の話をして叱ったところ、一年生が1人も入らず、次の年も1人も入らず、俺の代で部活は廃部した。

 

 

 

 

これが簡潔かつ中学の部活時代の全てだ。

こんな先生を今となっては昔の仲間と会うとよく笑いあって愚痴を言う。

 

ただ俺は先生の事を今振り返ると何故だか嫌いじゃない、むしろ好きと思っているのだ。

 

 

その理由が先生のDVの様な叱り方にあると考えている。

俺は性格がやんちゃで、その理由もあり、よく一対一で怒られていた。

先程も述べたが先生は体罰もするし高圧的な態度で怒鳴り、長時間説教するので胃が痛む様な思いをして毎回耐える。

そして長い説教が終わると先生は俺の体を抱きしめたり頭を撫でたりして「怖かったな、ごめんな」と謝る。

中学生の俺はその言葉で緊張の糸が溶けて泣くつもりも無いのに毎回喋れなくなる程に号泣した。

 

 

結論として俺の先生に対するイメージが、叱り終えた後に優しくするイメージが大きくて今は良いものになっているのだ。

 

 

これは洗脳されているのだろうが俺は先生に幸せな感情を抱いているし、乱暴と優しさを同時に受けてこの様な思いをしている人は自分の知らない世界で沢山居るだろう。

 

このような幸せな感情は素直に受け取っていいのかそれとも紛い物と引き剥がすべきものなのか、とか客観的に悪くてもwin-winならその関係は継続すべきなのかとか

最近はそんな事を考えている。

 

 

 

だらだら書いてしまったね

 

 

 

 

おしまい