陰毛大臣

人間オタク

だらだら書いた(続き2)

あらすじ

広島まで電車で着いた俺は埼玉までの携帯、金を一切持たないヒッチハイクを始めた。おっさんに乗せてもらってパーキングエリアに着いた

 

 

1人に乗せてもらった俺は勢いづいて次々と車に乗せてもらった

ということはなく、またも地蔵(話しかけられずに時間だけ過ぎること)を繰り返していた。

 

パーキングエリアの喫煙所に座って、ただじっと話しかけたら快く乗せてくれそうな人を目で探していた。

 

30分くらいして車を出発させようとしている人に話しかけた。

「すみません、ヒッチハイクしてるんですけど良かったらご一緒させてくれませんか?」

「ちょっと上司に確認するから待ってて」

 

仕事中の人に話しかけてしまったようだが好印象で結局乗せてもらえて岡山県へ入る事が出来た。

気さくな人で、車の中では先程と逆でヒッチハイクすることを褒めて貰ったりした。

あとは地元や岡山弁はこんなイメージだ、みたいなたわいもない話をした。

 

 

 

2人目を乗せてもらった俺は勢いづいて次々と車に乗せてもらった
ということはなく、またも地蔵(話しかけられずに時間だけ過ぎること)を繰り返していた。

 

 

大事な事なので聞いてほしいのだが

実はこのヒッチハイク旅、要約すると自分の勇気が足りずにこんな事ばかりをしながら埼玉まで帰ってきた。

自分はこのヒッチハイクで知らない人から優しさを貰い、お世話になった人の生き方考えていることを見て自分の成長に役立てようと思っていた。

下道を通り、人の家に泊まり、自分の世界を広げたかった。今いる場所から完全に離れて全く知らない人からの無償の優しさを感じたかった。

 

 

 

途中で同じヒッチハイクをしている人に話しかけた。

「なぜヒッチハイクしてるんですか」

「よくヒッチハイクして遠くの友達のところに遊びに行ったりするんだ」

 

ヒッチハイクする人は皆自分なりのストーリーや得るべきものがあるのかと思っていた。

自分は車にタダで知らない人を乗せて貰うのは普通迷惑な事だと思っていたのでそんな考えをするんだ、と感心した。

もう二度とヒッチハイクはしたくないな、と道中心に決めた。

 

 

滋賀県の大津で全ての服が汗臭くなり、コインランドリーを使いたくなった。

 

「すみません、100円くれませんか?」

 

洗濯するための100円乞食をおれはついに始めた。

 

事情を話せた会社員がぶっきらぼうに100円を渡してくれた。

 

その日は大津駅の駅のトイレで全裸になって体を流し、ホームレスの隣で寝た。

自分はコインランドリーは100円あれば使えるかな、使えなければ利用する人にまた乞食しよう。と思っていた。

 

次の朝コインランドリーに行くと人がおらず乞食出来る状況でなかった。

コインランドリーの洗濯機は300円が必要で、乾燥機に100円が必要だった。

「乾燥機しか使えないな。」

僕はそう呟き洗濯機を眺めていた。

すると洗濯機に(ドラム洗浄  無料)と書いてあるのに気づく。

ドラム洗浄とは、洗濯機を使う前に中の衛生をよくするもので1分ほど水が流れる。

 

僕は洗濯機に1つ残して全ての服を入れてドラム洗浄のボタンを押した。

ドラム洗浄後、中の服をそのまま乾燥機に入れて100円を使った。

 

洗濯はできなかったけれどこれでいいか。

僕は乾燥機が終わった後、中の服を取り出した。

びしょ濡れだった。

 

洋服を絞り、近くの塀に干して僕は寝た。

 

日向に当たりながら道路のすぐ側で横になって寝る僕はまるで自由を謳歌するホームレスだった。

 

 

その後乾いた洋服を持ち出して高速道路のパーキングまで歩いて戻った。

それからはかなり一瞬だった。1日かけて確か厚木の方位まで帰って来ることが出来た。

夜に着いた最後のパーキングは大型トラックしか止まっておらず、それは僕に少しの恐怖を与えた。

 

滋賀から関東の間は

宇都宮出身のヤンキー校の人の話を聞いたり、とあるお父さんの好きなAKBのアイドルを聞いたり、子連れのお母さんの子供の将来の悩みを聞いたりした。どの方も優しくしていただいたり、食べ物を奢っていただいたりもした。感謝しきれない。

 

次の日、夜を明かしたパーキングで地蔵や断られたりを繰り返したりして立ち往生した。というか長距離トラックが多すぎてヒッチハイクには明らかに適していないパーキングだった。

そして昼を過ぎた頃にやっと乗せて貰えそうな人が現れた。

その人は持っているバックいっぱいにメビウスのレギュラータバコを何故か敷きつめ、タバコを喫煙所でも無いのに吹かしていた。

「すみません、ヒッチハイクハイクしていて、東京の方まで乗せて貰えませんか」

と尋ねると

ヒッチハイク?」

と相手の方はしきりに聞いていた。ヒッチハイクという言葉を知らなかったのだろうか。その人は話しかけてから気づいたが中国人だった。

いくらか話した後にその方は仲間に電話をかけ、日本語の得意な人が電話から声を出した。そしてスピーカーにして僕に声を繋げると

「君、名前なんていうの?大学は?」

電話番号と名前と大学を聞かされた。

僕は「普通に怖!」って思いながら断る状況にもなく、教えた。

 

それから少し話し、何故か分からないが了承を貰って乗せてもらうことになった。その話しかけた人の連れが3人居て、6人乗りの車の一番後ろにちょこんと乗せられた。家族に連れられる犬の様に。

それからは殆ど僕に話が回ることも無く、話しかけることも出来なかった。4人で中国語の大声でずっと何かを話しているからである。そしてタバコをすい始めたかと思うと窓を開けて灰を捨てる。異文化のパワーに圧倒されて正直何も出来なかった。

国会の方に彼らは観光に来ていたようで、ようやく僕としても長かった高速道路を降りた後、その近くで降ろされた。

日本語の喋れない連れの人が英語でここから入っていいの?と言って僕は「yes.おkェ」とか答えていた。

 

その人が親切で、僕に帰りの電車の交通費を分けてくれた。その金で僕は晴れて家へと帰ることが出来た。

 

 

僕のヒッチハイク人生は黒人からきっかけで始まり、中国人で終わったわけだ。もう二度としないので。

僕は言葉の通じなさや感性の違いから少しだけ外国人と言うだけで警戒してしまっていた所があったが、とても優しさを貰ってイメージをがらりと変えた。

 

そしてこのヒッチハイクの旅、滋賀のトイレの1度しか水浴びをしておらず、そのほかの時間は全て炎天下に投げ出されていて、自分の匂いがめちゃくちゃ気になっていた。正直ずっっっっと気になっていた。

家に帰って、母親に「俺臭い?」と聞いた。

「別に」と返された。杞憂だった。

俺は臭い、というループするイザナミの中に僕はいた訳だ。

 

 

よい経験(?)が出来ました、乗せてもらった方々に本当に感謝しています

 

 

 

いや僕が女ならこんな人生送るけどね

この町には変な姉さんがいる。

「変」て単語を使うと辺鄙なのだが、僕にこれ以外の言葉は見つからない。まだ中学3年生だから未熟ということで。

 

小学生の高学年の頃から急に現れた推定20台半ばのその姉さんはいつも服を着ていない。水着だ。水着で街中を出歩いている。

ここの地域は小さな街で、海の本当に傍なので夏になると水着の女性が街を歩いているなんて事はざらにあるのだが、秋になっても冬になっても水着にサンダルで歩いているものだから、街の皆はすっかりその顔を覚えてしまった。

姉さんはどの時間でも現れる。そして水着であること以外は何もおかしい所は無く、そうある事が当たり前かのように、それが世界の常識かと思わせるような平然さで過ごしている。不思議と通報されることも無い。

 

思わず見蕩れてしまうようなグラマラスな身体つきをしている彼女は、下校中に見かけた時はよく僕達を興奮させた。

僕は姉さんを見かけた日の夜にはよくその姿を思い出して手淫をする。今年中学を卒業するというのに僕は未だに童貞で、彼女もいた事がない。同年代の異性と上手く話せる自信もなく、性交してみたいという興味と欲求だけでここの所は暮らしている。

 

そしてある日の自慰行為を終えた時に姉さんに話しかけてみようと決意し、今日偶然見かけた所ノープランで話しかけた所が今現在僕が置かれている状況なのである。

「何?」

僕と同じくらいの身長で、カラコンを入れたのか少し大きく見える瞳が平行に僕だけを見つめる。僕らの頃は相当モテたのではないかと思うような整った顔立ちだ。

ぶっきらぼうに返してきた返事に僕の元々何も考えていないような脳味噌は白紙になってしまった。

 

頭の中がどうしようどうしようと循環しているうちにその循環の中に本能的に目の前の彼女に対する邪な気持ちが割り込んだ。

「ぼ、僕とセックスしてください」

やってしまった。僕は初対面の人になんて事を言ってしまったのだろう。

「すみませんでした」

思わず謝る。頭を下げてから恐る恐る顔を上げて上目遣いで姉さんの顔を確認すると、彼女はさっきと全く変わらない表情で眉ひとつ動かさずに目の前の中坊の頭を見つめていた。

それからどれくらいたっただろう、多分一瞬なのだろうけども僕には10秒位は経っているように思えた。僕を見つめる姉さんは急ににちゃっと艶やかな笑顔を見せた。

「いいよ。家まで付いてきて。」

 

姉さんはそれだけ言うと翻してすたすたと歩いていった。僕は今どんな状況なのか全く理解できないが、これに遅れてはいけないと直感的に感じたので、あわてて後ろに直ぐに着いて歩いた。

 

姉さんの家は古そうなアパートの一室だった。

彼女が家に帰るように玄関に入るので僕も続いて玄関に入った。2人が入ったドアが閉まった瞬間に彼女は振り返ってドアと自らの体とで僕の事を挟んだ。そして「付いてきて」と言ってからは一言も発しなかった口が開いた。

「頂戴。君の今持ってるお金全て」

僕はドキリとした。この人は普段からこんな悪徳商売をしているのではないか、と即座に思った。それでもこの身に接着する異性の身体と僕の臆病な心が

「はい、払います」

と言わせてしまった。

どうしよう、今月のお小遣いが全て無くなってしまう。

それでもこの3000円で自分の童貞が今卒業出来るかもしれないと思うと背に腹はかえられない気分だった。

絡められた体を剥がして財布を取り出し、なけなしの3枚を取り出す。

「3000円しかないの?」

笑いながら姉さんは尋ねた。

「そうなんです、1ヶ月3000円しか親から貰えなくて、一昨日貰ったばかりです」

「一昨日貰った3000円を今日全て使っちゃうんだね」

姉さんは笑っているような困っているような僕にはよく分からない笑みを浮かべた。

「靴脱いで入りなよ」

僕はそう言ってサンダルを脱いで家の中に入っていく揺れるお尻に誘われて家の中に入った。古そうなワンルームアパートだが、ガラスの机と椅子2脚がちょこんと置いてあり、その隣には不格好に布団が敷かれている。

「椅子、座って。」

言われるままに僕は椅子に座った。彼女は氷を入れたカップを用意し、水を水道から汲んで僕と自分の元に置いて同じく机を向かいにして座った。

「私、風俗嬢だけど分かってる?」

1言目に発した言葉がまず強烈だった。そして噛み砕くと当然かと思い、また当然か?と自問自答した。

「どこの、ですか」

「あの2丁目にあるソープランド

2丁目のソープランドは中学生の間では割と有名だった。ラブホテルすら見当たらないような廃れたこの観光地に唯一目立ってある異質な風俗なのだから。

「街を歩いている皆は知っているんですか」

なるべく空白を作らぬよう、素直に疑問に思った事を尋ねた。

「知ってる人もいるし、知らない人もいる。街を歩く人は知らないフリしている人も多いかな」

「なんでですか」

「それはこんな格好しているから。同じと思われたくないんじゃないの?普段キリッとしたサラリーマンから妻子持ちだっている訳だし」

「なんだか悲しい話ですね」

「悲しくなんてないよ。だって私の事を知ってる人は皆私の事を好きだから。それでもそれぞれの生活がある、それを侵さない事もまた大人であることだと思う。それと私の存在が当たり前になって欲しくないし」

「そうなんですね」

僕は目の前の真面目な話をしている彼女の言葉と身なりのギャップに戸惑っていた。

「私、露出するのが好きなんだ」

2つ目の暴露に身体ごとビクンと動いてしまった。そんな初心な僕の様子に彼女は囁かに笑って続ける。

「私、この街に露出する為に来たの」

小学生高学年の頃に初めて水着でいつの時期も歩くエロい女性が不自然に現れたのを僕もよく覚えている。

「3.4年前ですか?」

「そう、よく知ってるね。4年前。私は仕事にも疲れてかくあるべき姿に囚われない何かになりたくて仕事を辞めて引越しまでする事を決意した」

「僕にはまだ遠い話でよく分からないことです」

僕は知った被るよりは素直に感想を述べた方がいいと感じた。

「それでなんで風俗嬢に?」

「お金が入るから。こんな私でも夢があるの。このソープのお客様も含めて、スナックを開きたい。1人で」

「その為にお金を」

「そう、これは資金稼ぎと人脈作りのため。やっぱりずっと1人だと寂しいでしょ」

「そうですね」

道歩く人の誰にもその人の人生があり、夢があるんだなあと、僕は何故か甲斐性にもなく勝手に感傷に少し浸った。そしてもうひとつの気になる事を尋ねた。

「なんでお姉さんの存在は当たり前になってはいけないんですか」

姉さんの僕と並行な瞳は話続けている中は僕の瞳を掴んで離さない。

「それは露出している事が当たり前になったら気持ちが良くないからね。いけないことをしているって気持ちを残していたいから」

それは何とも子供らしいというか、単純な解答であった。

「ご飯食べて良く寝て、性欲を発散する。本当にこれだけをしに私はこの街を選んで引越してしたの。これで私の話は終わり」

なんて本能に忠実な人なんだろう。僕は当たり前のように学校を卒業して大学へ行って同じ会社で定年まで働く、それが当たり前であり、たった1つの形だと思っていた。こんなに自由を体現している人はいないし、当たり前でないこの事を実行する勇気に僕は感銘を受けた。僕はこの人の事をもっと知りたい。

ふと気付いたら机の上に先程の3000円が置かれていた。

「それで、童貞は卒業する?私でいいなら構わないけど」

僕はこの人の話を聞いて人間にはなんでも出来るのではないか、という気持ちに満ちていた。これは一瞬の気持ちではあるのかもしれないけれど、今なら街中を大声で駆け抜けることだって気になる同級生の女の子に告白する事だって出来そうだ。

「いいえ、僕は卒業しません。でも素敵なお話をありがとうございました。生きる勇気が見つかりました。3000円はお姉さんに渡します」

お姉さんは母性を含んだような僕の事を包み込むような優しい笑みで微笑んだ。

「性病も怖いですし」

「性病なんて持ってないし!」

柔らかそうな頬と口が膨らむ。

その後に姉さんは思い付いたように話し始めた。

「それじゃあ賭けをしよう。この3000円は暫く私が預かる。君が19歳になるまでに童貞を卒業出来なかったらこの家にお金を取りに戻っておいで。1番恥ずかしくて、気持ちがいい童貞の卒業させ方を私がしてあげる」

僕の喉がごくりとなる。

「それで卒業出来た時は?」

「それは言わなくても分かるでしょう?」

お姉さんは3枚の紙幣を揃えて置いて、その上に重りを置いた。

 

それから僕達は1時間程色々な世間話をした。彼女の事を詳しく知り、また僕の事を知ってもらった。

 

「じゃあ今日は帰りな」

「はい」

一段落住んで日が沈み掛けた頃、彼女は僕に別れを提案した。

僕はここから何か1歩を踏み出せるような気がして、それでいてあまり長くは無かったがこの出会いの終わりに寂寥感を覚えた。

「また」

「なに?」

「また、話してくれますか?」

「ダメ、君が19歳になるまでは。道端で話していたら露出の楽しさが無くなっちゃう。それに私の存在は19禁だから」

正直少し期待していただけに即座に断られて僕は残念な気持ちになった。

「だけど」

目の前の艶やかな彼女は続けた

「歩いてる時に会ったらアツい目線は送っちゃうかもね」

僕はその言葉聞いて安心した。僕は見えない何かを求めたくて、それでいても迷っても戻れて安心出来る何かが欲しかったのかもしれない。それは僕の1番欲しかった言葉だった。

 

「お姉さんのスナック、出来た時には絶対に行きますからね」

 

僕のこの出会いは僕の中の何かを変えるかもしれない。そして殻を打ち破ってかくあるべきものに囚われない僕になった暁には僕はこう言うんだ。

「僕の人生はどの季節も水着で街を歩いている風俗嬢のお姉さんに変えられたんだ」って。

 

 

 

 

 

 

 

 

うい

 

 

陰毛大臣の好きなアニメを3つ挙げるぜ!

雑記ブログなんでいいでしょ?

 

僕は好きな作品とか心動かされたものがあると同じような人をネットで探すタイプです。共感したいんだね。ようつべのコメント見たりするのも好き。

というわけでいつか誰かが「それ!!」ってなるように今まで見てきたアニメで個人的に3つの指に入るものを紹介します。

 

NHKにようこそ!(全24話)

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NHKにようこそ

物語の概要

大学を中退して引きこもりの主人公の家に宗教勧誘が訪問した

勧誘の連れの子供が綺麗な少女で、主人公は胸を打たれる

一度きりだと思っていた邂逅だったが、なんと少女の方から声をかけられて会いに行くと彼女は「引きこもり脱出プロジェクト」を提案するのだった,,,,,

 

まずこれを選んだ理由は自分がアニメを見て初めて衝撃を受けたからです。

自分の世代は小学生の頃からアニメオタクならば「涼宮ハルヒの憂鬱」が被っている世代。中学高校生の頃にアニメを見ていた僕は、「SAOが~インデックスが~」と皆が騒いでいた時期でした

当時僕はこの主人公のように小学校から高校にかけて勉学も人間関係も落ちぶれていく一方でした。しかしその具体的な理由もわからないので上手くいかず、努力もしなくなりました。その頃にたまたま出会った2006年の作品。

 

このアニメは登場人物が全員”まるでダメ”です。引きこもりの主人公はおろか、美少女、隣人の後輩、高校時代の先輩...皆それぞれ別のダメさを持っています(漫画版だと顕著)

そんな中、物語としてはエロゲ制作、自殺オフ会、マルチ商法などの生々しい体験を経て人間としていい方向に行ったりよくない方向に逆戻りしたりを繰り返していきます。

人間は完璧な人などおらず、いいところも悪いところもある。このアニメを見終わった頃にはそれを認め合え、また自覚して認め、人間としてわずかな一歩を踏み出せるようになるのではないでしょうか。

 

アニメの内容や感情の生々しさやアニメ内で流れる音楽が融合し、独特の鬱屈感を醸し出していて引き込まれます。まだ見ていない人は体験してみてほしい。

そしてなんといってもヒロインの少女が可愛い。

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中原岬

主人公を引きこもりから脱するために現れる天使の様な存在。

この子がわが家にも来てくれないかと当時社会問題化してきたリアルの引きこもり達をよく悩ませた。外国の一部では今でも神格化されている所もあるのだとか。大人らしく背伸びしちゃうところやあどけなさや共依存を求める姿が愛おしい。声が可愛い。声優の牧野由依が歌う後期EDもすごくいい。

 

このアニメは小説で、作者は本物のひきこもりだったらしいです。その経験もあってか、リアルな空気感に引き込まれると思います。個人的に一番好きなところはそこにあります。

作り話なのに自分の身の回りのことのように感じてしまう空気を作ったことになにより衝撃を受け、天才だと感じました。

 

宇宙よりも遠い場所(全13話)

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宇宙よりも遠い場所

物語の概要

”何かを始めたい”と思いながら、中々一歩を踏み出すことのできないまま高校2年生を迎えた主人公の少女はとあるきっかけから南極に行くことを目指す少女と出会う。周りから無理だと言われ続けても絶対に曲げない少女の姿に心を打たれた主人公は、同じく偶然出会った悩みを抱えるもう2人の少女と4人で南極を目指すことを決意する,,,,,,

 

次に選んだのはこれです。「響け!ユーフォニアム」を初めて見た時以来に話のストーリーや作画や声など、様々なものに気合が入っているなと感じました。1クールしかなく、おそらくこの先の続きも出ないでしょうが、ここ数年で一番面白いアニメなのではないかと個人的に思っています。

 

この物語は強さを感じます。周りから傷つけられ、傷を負ってそれでも前を向いて胸を張って生きることの素敵さをまざまざと見せつけられます。きっとそれが出来るのは信頼しあえる仲間がいるからでもあり、”4人で”じゃないとダメなんだということが物語の端々にも伝わります。

 

またキャラクターの感情や行動に意味を持たせていることも素敵な点です。4人のそれぞれの性格があって、理念がある。このキャラがこんな行動を起こした時になぜ他の3人のキャラはそれぞれこの行動を取ったのだろうか。といちいち考えられるのが楽しいです。4人いて初めて団体としてのバランスを保っているんです。主人公には昔から行動を共にする幼馴染がいて、その子は南極へ誘わなかったのだけれど、その理由なども考えると楽しいかも。

 

声優が水瀬いのり花澤香菜井口裕香早見沙織と今の人気声優がキャスティングされています。声優好きの人もこのキャラたちの力強い演技に心打たれるのではないでしょうか。

文部科学省海上自衛隊国立極地研究所の協力を借り、プロジェクト期間に何年もかけたとか聞く力作です。

2018年にニューヨークタイムズ紙の「最も優れたテレビ番組」の海外部門10選に選ばれました。

 

1話1話の構成が本当によくできているので見やすく、引き込まれます。

そして感動できるシーンが多いです。毎話泣いてる人もいるんじゃないか?11話が一番好きです。号泣しました。

あと一人もぶっちぎって可愛いキャラがいないところも好きな点です(失礼か)。萌えを狙わずに話で攻めている印象がいい。

 

アイカツ!(全178話)

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アイカツ!

物語の概要

弁当屋の娘の主人公はアイドル博士を名乗る幼馴染に超有名なアイドル養成学校を一緒に受けないかと提案される。その後2人で合格して編入した主人公達はアイドルとしての心得を学びながらトップアイドルへの階段を昇り始める,,,,,,,,,

 

このイラストの金髪の子が主人公です。こいつどんな感情の顔してんねん

「女児アニメやんw」って思った方もいるかもしれませんが舐めていると痛い目を見ます。僕はアニメのジャンルの中でもアイドルアニメが一番好きなんですが、その中でもダントツに好きです。

 

アイカツファンの大人は一定数存在していて、僕もその中の一人なのですが、多分全員この主人公のキャラが本当に大好きなのではないでしょうか。そうでないと多分同じアイカツでも同じアイカツは見ていないと思う。

 

話数も長いですし、普段は慢性的にキャラに焦点を当てたりその回のサブタイトルについて考えながらアイドル活動をしていきますが、ぶっ飛んだキャラクターがいくらかいるので飽きません。

特に主人公。主人公のキャラは’アスぺなのか?’と疑うような空気の読まなそう感があって、行動も突拍子もない。「故郷のデカいクリスマスツリーが恋しい」と誰かが言うと急に山に行って大木を斧で切り落としに行ったり、人が落ちたら死ぬほどの崖上にある建物に行こうとするが、そこまで送るエレベーターが壊れていると崖を昇り始める。「アイカツ」「アイカツ」と声出ししながら。

それでもその主人公の行動は全て正しくて、最後には物語の中の人だけでなく、視聴者までも笑顔にさせてくれる。

自分は主人公の顔や動きをバカにしたようにいつもニチャニチャ笑いながら見るのですが、それでも一番尊敬しています。それだけこの主人公には人を引き付ける力がある。

 

またアイカツ!は世間的にも人気があった1,2クール目は顕著だがマイナスの感情が殆ど存在しないことも特徴にあります。例えば、普通なら一緒のオーディションを受けて落選した方は悔しがったりするだろうが、アイカツでは落選した人も何の屈託のない笑顔で他人を褒めたたえるのです。そんな所がまた視聴者に元気を分け与えてくれます。

 

 

アイカツでの曲はMONACAというアニソンの超有名曲を何曲も輩出しているグループが主に作っています。聞いていて元気が貰える曲が沢山あります。

また見どころとして平均1話につき1回ある3DCGライブ映像もあります。このライブ映像が技術の進化で、一話目の見てられないようなCGから回を追うごとに綺麗になっていきます。またその回の内容に即したステージングをします。サブタイが笑顔の時は笑顔の印象的なCGが流れ、ライブでバトルするとなった時は何故だかCGを見るだけで何となく順位がわかる。凝っているから視聴者にも伝わるのでしょうね。

 

アイカツは1話から50話までは1話分を見るような感覚で見れる(暴論)ので長いからと手を付けることを辞めずに試しに見てほしいものです。50話見て面白くなければおそらく合いません。自分の周りでアイカツ!を面白いアニメとして勧めても一人も見てくれる人はいませんでした。

 

しかし人生に行き詰って苦しい時にこのアニメを見ると元気が出るし、回によっては答えさえ与えてくれることがある。製作者すら「鬱が治る」とか言ってた気がするし、田所あずさ(声優)も「アイカツを見ておけば幸せになれる」と言っていた。

このアニメに出会った機会はまたの機会に書きますが自分も鬱が治りました。

 

 

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というわけで自分の選ぶ好きなアニメを3つ挙げました。

これから見る人のために具体的な内容はあらかた伏せてありますが、何かしら興味を持ってただけると嬉しいです。また僕の好みも何となく伝わったのではないかと思うので同じような好みの人はまだ見ていないものがあれば是非見てください。共有しましょう。共有。

 

 

 

 

 

モワリ

「いただきます」と言わされる理由は何なのか

ふと唐揚げ弁当を昼に一人で食べる前に「頂きます」と言って、疑問に感じた。

 

なぜ小さい頃から「いただきます」という単語を言わされ続けるのか。

 

食材や作ってくれた人への感謝と当たり前に言えばそうなのだが正直面倒だ。自分の幼稚園なんて仏教校だったため謎の呪文を10秒くらい唱えてからいただきますをしていた。

 

自分なりに考えた答えだが、これを言わされ続ける意味は「感謝」の気持ちを何に対しても感じる、言えるようになる為だと結論付けた。

 

人間に何かに影響されずに育った人なんていない。

体育会系のノリで生きてきた人は体育会系になるし

小さい頃いじめられた人は性格がその反動で強くなったり弱くなったり。

親の服がダサすぎてファッションセンスを磨いて良くなるのも影響だ。

 

そしてこういった性格や価値観への影響は小さい頃程よく形成されやすい。

そういった中で我々の幼少期の教育は未来において大事だと言える。

 

また僕が過去に記事に挙げたかどんな記事になっていたかは忘れたが

鬱に効く方法は感謝だと言った。

これは事実としてどうなのかはわからないが、人間として綺麗に生きるためにキーワードになる言葉は間違いなく「感謝」であると思う。

他人と共存、他人がいないと生きられない世の中で自分が健康で生きていることに感謝すべきだ。親にでも日本にでも様々なものにいちいち感謝することが人間的だ。感謝の知らない人間はサイコパスだのアスぺだの謎のレッテルを押し付けられてしまう。

 

この二つを合わせ

①日ごろ感謝するという感情を暮らしていて忘れることが多々あると思うがその感情を思い出させて、人間に還って貰うため②幼少期から感謝という感情を体に覚えさせるために「いただきます」と言わされ続けるのではないか。

 

諸説あるので一度気が向いたら考えてみてください

音痴な人のカラオケの参戦方法-マインド編-

音痴な人は、カラオケでの自分の居場所は狭い。

 

なぜならそれは明確に歌が下手だからだ。

 

 

音痴なあなたがカラオケに行くと

·なんか自分が歌うと盛り上がりに欠ける

·人の歌にハモるとウザがられる

·自分の歌になるとやけにみんながドリンクバーにドリンクを取りに行ったり喫煙しに行く

 

なんて事がありますよね、身に覚えがありませんか?僕はありました。

そしてそんな事を毎回続けていると貴方のカラオケに対する熱量は確実に下がります。

 

でも

「カラオケいこう?」

そんな流れになった時に嫌な反応を見せたくないですね。

 

 

という訳でそんな人向けに適当に書いた記事です

 

 

掴みが大事

まず、音痴な人がカラオケで一発目歌った瞬間に

「面倒な事になった....」

と、思う聞き手もいます。あなたが下手過ぎて。

そんな奴は心が狭すぎるからそもそも付き合いを辞めた方がいいとも思うが。

 

 

メラビアンの法則 というものがあります。

第一印象は顔と声で9割を占める、というものです。

また人間の第一印象はなかなか変わりづらいです。

 

完全に議論をすり替えてる気がしますがこれをカラオケも同じと考えましょう

 

カラオケは顔と声が大事。印象を決める為に。

 

 

まずは顔と声について話します。

僕は普段の声が小さいのに歌う時はクソでかい声を出さないと音程を取れない為、歌うのが恥ずかしく(特に女性が居たりすると)

恥ずかしさから、結局いつもの声と本気で歌う時の中間の大きさの声で歌ってしまい、音程は取れないし声が震えます。

いつも自分の歌に自信がない状態です。

 

でも申し訳なさそうに、自信が無さそうに歌う人を見ていて楽しい気分になりますか?

もし自分が自分より下手な誰かとカラオケに行った時に震えた声でずっと自信なさそうに歌ってた時のことを想像してください。

 

お互いつまらないですね。

 

なのでカラオケに関してはまず殻に籠るのは辞めた方がいいと思います。

自信のある顔で、楽しそうに歌っていた方が断然印象がいいし、お互い楽しめると思います。くよくよした悩みは考えずに思い切って自分を捨てましょう。

「カラオケにいる時の自分は普段の自分ではない」と。

 

そして話を戻して掴みとして何を歌えばいいのか

 

 

 

物凄い自信を持った表情と声ををしながらラップを歌いましょう。

 

 

「いや、ラップかよ」

そう思う方もいると思いますが、カラオケにおいて音痴な人にまず並の人権はありません。いやない。

そして歌は練習する事で確実に上手くなります。

その努力もしないでとりあえず人権を得たいと思うならラップを歌え。

 

僕はそう思います。

1曲目におすすめのラップ曲ですがこちらです。

 


nobody knows+ 「ココロオドル」

 

これ本人が歌ってるものだけどそこまで音程は合っていません。

でもラップなら何とか聞ける、そう思いませんでしたか?

 

そして同じ曲を知ってる人が一人はいるはず。聞いたことあるくらいの人でも。

一生懸命楽しそうに歌っていればきっとその人がノってくれます。合いの手を飛ばしてくれます。

「ENJOY!!!!」

その時点でこのカラオケ会はほぼあなたの勝ちです。喜んでください。

もしグループにこの曲を知ってる人が一人もいない場合はあなたの負けです。僕ではなく仲間を恨んで下さい。

 

 

ラップって採点をしてみれば分かりますが音程の上下は普通の歌に比べてあまりありません。

なので音程が取りやすく、もしキーが本来のものと違ったとしても音程の上下がないのでとりあえずは聞ける歌になります。

 

 

これで掴みはバッチリ

 

 

 

そしてまあ少しは音痴なのがバレてきてると思うので

 

「俺、音痴だから一緒に歌ってよ!」

 

屈託のない笑顔でそんな事を話せばいいと思います。

音痴な事を気にして黙っていたって、

「お前音痴だなぁ~w」

なんてわざわざ楽しそうに言ってくれる心優しい人はなかなかいません。

 

お互い思ってるなら自分から発信しましょう。

「俺歌うの得意じゃないんだ」

つまらなそうに言うのはダメです。えへへって感じで言いましょう。

人間は心を開いてくれた相手や、自分に対して恥ずかしい体験などを話してくれる人には心を開きやすい心理を持っています。

「ちょっとかわいいかも」

そんな印象すらこれを言うだけで与える事が出来るかも知れませんね。

 

 

掴みの後

さて、そんな感じで掴み終えた後は自分の好きな曲を歌えばいいと思います。

 

ただしあまりゆっくり静かな曲は歌わない方がいいと思います。

静かな曲は歌の上手いやつの歌うものだから。

 

例えば今年流行りの 雪の花

上手い人が歌えば「おおっ」と沸きますが

音痴な人が歌っていたら地獄です。

「どんな気持ちで聞けばええねん。ヤニ補給してこよ。」

そうなるはずです。

 

だからなるべくテンポの速い曲やみんなで歌えるものをセレクトしましょう。

雪の花 ×

糸   △(×寄り)

粉雪  ○

I LOVE YOU  ×

奏   △

RPG  ○

島人ぬ宝 ○

first  love ×

 

さあ適当に有名な遅い曲を選んで、音痴がみんなとカラオケで入れることが出来る曲かを○×で自分なりに評価しました。

皆と楽しい雰囲気でカラオケに行ってこれらの曲をあなたが歌う番に入れたときの想像をしてみてください。

僕の評価の基準が肌感覚で分かると思います。

 

つまり序盤後、何が大切かというと「空気を読む」ということです。

日本人の得意な事。

実はこれに関しては歌が上手でも下手でもない、普通の人もやっています。上手い人もやってる人はもちろんやってる。

 

もしあなたが30歳上の会社の上司とカラオケに行ったら

あなたの好きなアニメの歌を歌いますか?

 

それでは上司が楽しめません。

上司の年代や趣味に合わせて選曲するのがベターです。

 

このように

・その時の空気を冷めさせないように

・相手の趣味に合わせて一緒に歌を楽しめるように

 

選曲をするのです。選曲は戦局を変えるのだ。

 

 

 

音痴な人のカラオケの参戦方法

僕からはこんな感じです。

 

 

もし次にカラオケの記事を書くときには今度は歌の技術について発信したいと思います。

 

アディオス

 

漫画村で抜いていた奴、来い

私事なんですが

「自分のはてなのマイページの記事一覧に漫画村が閉鎖されたので

代わりになるサイトを教えます。」

みたいな一年前の記事がおすすめでずっと表示されていてうざったい。

 

僕はその記事を見ていないけれどもどうせ

月一の料金を払ったり

1巻だけ無料で読めるけど2巻目からはサイト内でのポイントが必要です。

ってサイトを勧められるんだろう。

 

もういいよそういうの。

この記事を見た人で漫画村と同じようなクオリティのサイトを知っている人がいるならむしろ僕にコメントで教えてくれ。

 

さて僕は漫画村があったころはエロ漫画を読んでいた。抜いていた。

 

それから今、自分は性欲が減退して月一ペースでしか抜かなくなったのだが

漫画村のエロ版みたいなサイトは知っているので簡潔に同士に教えます。僕は見ないけど。

 

https://nhentai.net/

 

このリンクね。

はい。海外サイトです。

でも色々なエロ漫画があります。

快楽天、失楽天、ビースト、LOなど

毎月分が遡れるように見れます。その他同人など。

 

サムネの日本マークがついた漫画をクリックしないと日本語では読めません。

 

まあ後はお好きに探り探りしてみてください。

 

 

 

 

 

んじゃ

オカマはゲイ

父親は無口な人だった。

毎日食卓では母親が喋りつくす。話題をひとしきり喋り終えるとそれにコメントするように父親が話す。二人の音は交わることなく、まるで小説の吹き出しの連鎖のように会話する。専ら吹き出しの殆どは母親の言葉で埋められるのだが。

父親は無口な人だった。

しかし喋る一言一言には我々を納得せるような理屈があり、話の節々には優しさを選んだ言葉があって、それらが聞き手を温かくさせ、魅了させた。少年の優しい心のまま、何にも穢れずに様々な事を学んでオヤジになったことが見ているだけで分かった。

父親が死んだ。

父親は僕の子供のころから変わりなく、穢れなく優しいイメージのまま尊敬する人としてこの世から発って行った。あまり喋らなかったのは、言葉の残酷なまでに相手から見られるイメージを変えてしまう性格を知っているためのものなのではないかとさえ思えた。それほど父親は美しかった。

無口なため、きっと若いころは女性に色目をあまり使われなかった口だと思うので父親を運命の人に選んだ僕の母親もなかなかセンスが渋いなと思う。

 

そんな父親が死んで心を塞いでいた僕は暫く学校を休んでいた。

そのままゴールデンウィークに突入し、携帯へ一通のメールが届いた。

「プライド祭りに行かないか。」

大学の親友の牧野からだった。

父親が死んでからは、呑みの席でドンチャンしたり、カラオケに行って盛り上がったりするような気分では無くなっていたためそのような機会は断り続けていた。そろそろ元の生活に戻すためにも今回は二人きりだし、リハビリにもなるかもしれない。と僕はその誘いを承諾するメールを返した。

 

プライド祭りとはレインボープライドというもので日本に暮らしているゲイやレズ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(総称してLGBTと呼ぶ。)が行進や出店を開き、一般の人からの差別や偏見に晒されずに自分らしく生きることを主張するイベントだ。

「普通に女性を好きな僕たちが行っていいの?」と素朴に牧野に尋ねてみると

「無論多様性を主張するイベントであるから行ってダメなわけがない。」

と帰ってきたので鵜呑みにして信じることにした。

 

 

中学生の頃、オカマタレントがジェットコースターに乗ってしゃがれ声で叫んでいる番組を家族で見ていた。

「このオカマタレントは海外のニューハーフ美女コンテストで優勝したらしいよ。」

と母親が言いながらそのタレントの男根の生えたような叫び声にケラケラ笑っていた。

対して父親は無表情のまま真横を向きながらこう言った。

「オカマはゲイだ。」

「そりゃぁオカマはゲイよ。」

父親がまじめな顔で当たり前の事をいうもんだから今度は僕まで母親と一緒にケラケラ笑ってしまった。

普段真顔でいい事ばかり言う父なので彼が話すときは皆集中して聞くのだが、そうやってたまにふざけたときは肩透かしを食らってとても笑ったのをよく覚えている。

 

牧野と代々木公園駅前で待ち合わせた。

彼はまだ季節的には春だというのに半袖短パンの涼しげな恰好をしていた。

少し最近の学校の噂を教えてもらいながら歩いていると直ぐに会場の代々木公園に到着した。

 

会場内にはペアルックで歩いてる女性や筋骨隆々の男カップルがざらにいて、外国人も相当数いるな、という印象だった。雰囲気に圧倒していると

「お前になんでこんな祭りに誘ったと思う?」

と牧野が問いかけた。

まさか牧野は黙然としていたがゲイで僕の事をこのイベントを通して、と脳内を巡ったりもしたが

「逆境でも笑顔で生きる人たちをお前に見せたかったからだよ。」

全くの杞憂だった。

 

会場内にはいくつものブースが立っていた。

僕たちはひとしきり回りながら興味があるブースにのみ並ぶようにして時間を過ごした。写真映えしそうな場所で写真を撮って貰い、なぜかあるブースにはアダルトグッズが売っていたりして青年ながらに盛り上がった。

 

ある有名化粧品会社のブースに長蛇の列が出来ていた。牧野はそれを見るなり「並ぼうぜ」と言って最後尾に立ち始めたので僕も後を着いていった。無駄話をしながら列が進むのを待っていたが、途中になって、並んでいる列が「上手な化粧の仕方を教えてもらう」ブースであることに二人同時に気が付いた。

僕は即座に列を抜けようとしたが牧野が僕の手を引っ張った。

「俺達、オカマになりたいって設定で化粧してもらおうぜ。」

まるで新しい遊びを思いついたような悪戯っ子の笑みで牧野はそう言った。

結局ごねる僕を彼は開放することなく、順番は回ってきた。

 

「初めまして、水瀬です。よろしくね。」

 

僕の担当は5歳くらいは年上のとても綺麗な女の人だった。そして僕は打ち合わせ通りに

「僕、いつか性別を変えたいんです。」

生涯二度と喋ることのないような内容の嘘を憑いた。少し声は上ずっていた。

「なるほどね。」

少し茶目っ気が残る綺麗な顔の女性はじっと僕の方を見て

「うん素質あるかも」

と頷いて直ぐに僕に化粧を始めた。

化粧を始めたとは言っても男の僕は女性の使うメイク道具の大半を知らず、「まず化粧下地を...」と言われた事に、「はい」とつまらぬ相づちを打つばかりで、しまいには彼女も化粧をしながら化粧に関係ない僕の好きな芸能人などを尋ねるようになった。

それでもこんな綺麗な女性に顔を近づけている背徳感と、自分が女性みたいになってしまうのではないかという甘酸っぱい感覚とで胸がいっぱいだった。

「ちょっとあんまり私の眼見ないで」

と言われた時は鼓動が高鳴った。

 

僕の担当の水瀬さんはとても話しやすい人だった。話をリードし、僕が詰まったときは欲しい言葉をくれて、同じ所で笑い、僕はなぜか緊張しているにも関わらず話も同時に楽しむことが出来ていた。

 

「終わったよ」

楽しい時間は過ぎるのも早いものだ。僕は牧野の事なんて忘れていて、率直にそう思った。彼女はそんな僕の心境を掬う様な表情から笑みに変えて

「ねえ君、私がいいっていうまで目、瞑ってて。」

と言った。夢中だった僕は頭を逡巡させながら彼女の流れに身を委ねて目を閉じた。

頭に何かが被せられた。

「いいよ」

目を開けると僕の肩に髪の毛が掛かっていた。女性もののカツラを被せられていた。

「ドキドキしちゃったじゃないですか。」

つい緊張が解けて心の声を漏らしてしまった僕に彼女は「可愛いね」と答えてくれた。

その後、水瀬さんの持っていた手鏡で化粧してカツラを被った自分を確認した。

水瀬さんの化粧の腕は確かで、鏡に映る僕は確かに女の子だった。我ながらに可愛いと思った。

「どう、初めての女装は。」

彼女は僕に感想を求めた。

「自分がこんなに女の人みたいに変わるなんて思ってもいませんでした。」

「ね、化粧ってすごいでしょ。」

僕は水瀬さんの腕を褒めるべきところだったのだろう。

そんなことも言えなかったのは

 

「あと君、実はストレートでしょ。」

と続くようにして確信を突かれたからだ。

ストレートは素直に異性が性的に好きな人たちである。

「そうです。」

嘘をついた罪悪感と共に素直に僕は認めることを選んだ。

「やっぱり。君の連れの子は半袖短パンでゲイっぽかったけどいまいち決定打に欠けるし、でも君の化粧品の知らなさや目を見てたらストレートだってわかったよ。」

確かにそうだな。と牧野もさることながら僕の水瀬さんに対する視線も見抜かれていて少し衝撃を受ける。

「ねぇ実は私もあなたに言ってないことがあるの。」

とそういうと彼女は僕に耳を貸せ、と合図してきた。彼女の吐息にこそばゆくなる耳は僕にとって驚愕な情報も同時に拾ってきた。

 

「私、男から女に性別を変えたトランスジェンダーよ。」

えええ! と僕は思わず叫んでしまった。それくらい僕の嘘がばれていたことよりもこの告白はよっぽど衝撃で、なにより彼女は女性的で尚且つ美しかったのだ。

 

それから話がまた盛り上がって聞いたところによると、この化粧をするブースで水瀬さんはただ一人のトランスジェンダーで、他は全員普通の女性だったそうだ。

彼女は大学生の頃に女性になることを決意して、女性ホルモンを注射した。性器は取り除いたため、もう男の頃の自分とは大分違うらしい。

「私海外のニューハーフ美女コンテストで昨年準優勝だったの。」

「テレビによく出ていたオカマタレントの出ていた大会ですか。」

「そうまったく同じ。」

僕は中学生の頃の記憶を掘り起こしていた。

「確かその人って優勝していたような...」

「うん、優勝したね。」

「でも水瀬さんの方が断然綺麗ですし女性的で魅力があります!」

僕はそれは力強く答えた。それだけは本心だったし、真実を知らされた後も話しているとやはり水瀬さんは女性だったからだ。

彼女はふと優しい笑みを零した後に横を向いてこう言った。

 

「オカマはゲイだよ」

中学生の頃オカマのタレントを観ずに横を向いていた光景がフラッシュバックした。あの時言った父親の言葉が生真面目な言葉だったことに約数年ぶりに気が付いた。

 

トランスジェンダーはたくさんいても、ああやって自分自身の事をネタにできるのはほんの一握り。普通なら自分の醜い見た目に嘆いたり、社会とどう付き合っていくか、身内にカミングアウトするのか。そんなことでみんな悩んでいる。私だって恥ずかしい話、不安で毎日吐いていたよ。」

ストレートの僕には想像もしたことのない苦しみをトランスジェンダーの人は抱えている。きっとゲイもレズもバイも同じ。それをテレビのタレントと皆同じだと錯覚してはいけない。あくまでも強い彼、彼女らにとってのオカマは芸なのだから。

「きっとそんな苦しみを味わったからこそ水瀬さんは今素敵な笑顔なんですね。」

「ありがとう。あ、そうだ。」

続けて彼女は喋る。

「このプライドに来てる人、これから道路を行進する人たちを私と別れたら見てきてごらん。笑っていない人なんていないんだよ。みんな明るい未来の暮らしに笑うの。」

 

この言葉を聞いて牧野の顔を思い出した。きっと牧野は父を失ったばかりの僕を笑顔にさせたい一心で、僕たちに全くの縁のない祭りに連れ出したんだ。

逆境でも笑う人たちを見せて僕に何か影響を与えようとした。

僕はいい親友を持っていたんだ、そう確信し牧野の顔が見たくなった。そういえばもう随分と待たせているのではないか。

 

カツラを置いて立ち上がった。

「水瀬さん、ありがとうございました。女装、楽しかったですし驚かされたしいい話も聞けました。友達が待ってるからそろそろ行きます。SNSとか見つけたら絶対にフォローしますね。」

 

腕と共に伸ばした掌に力が籠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり