だらだら書いた(続き)
「1日30キロ程でも歩けば30日経てば関東の地元に着く」
そんな事を考えて、広島駅から東へ向かって歩き出した。国道二号線沿いを「乗せて下さい」と書いた紙を掲げながら歩く。
1時間以上は歩いて体に疲労が溜まってきた。
青い道の先を指す標識に
「東広島26km 岡山108km」
と書いてあった。
1日30キロも歩くのは無理があると悟った。
「世の中に本当に悪い人はいない」と自分に言い聞かせた。
結局1日目、誰にも泊めてもらえず誰にも乗せてもらえずバス停のベンチに横になって寝た。
サークルのみんなと球技をしている夢を見ていたら、朝の日差しを感じて起床した。
夢の中ではすっかり自分が”金なし携帯なしin広島”の情報を忘れているので起きた瞬間の絶望感は忘れられない。
「夢の中の方が幸せ」
これに気づいた俺は
今朝も二号線沿いで「乗せて下さい」のプレートを掲げていたが誰も止まらないので
寝床を探した。
幸い今いるところの近くに広島駅の隣の駅があった。
駅前へ着いた時に図書館を発見した。
「よしここでまた寝れる」
そう思い俺は会館の時間を待ち
会館すると同時に席を取り桜井章一の麻雀本を持ってきて読まずに寝た。
川を下ったら一瞬で広島から関東へと渡る事が出来た夢を見た。
いい夢を見た。
ヒッチハイクも案外軌道に乗れば一瞬で終わるんじゃないかと気分が少しハイになった俺は(俺は情緒不安定だ)図書館を出て再びプレートを掲げる事にした。
まるで仔犬のような目と笑顔を駆使して通りすがる1つ1つの車を見ながら続けていると1つトラックが止まった。
ガテン系のオジさんで最初話した時は少し怖かったのを覚えている。
「どこまで行くんだ?」
結局やっとの思いで広島に着いて初めてのヒッチハイクを成功させた。
「お前携帯も財布も持たないでヒッチハイクするのはアホがやる事だ。地図も見れないだろう」
「普通は乗せてもらった人に後でお礼出来るように電話番号とかメールアドレスを聞いておくもんだ」
「お前はヒッチハイクを始めたきっかけや自分の物語が何もない」
「清潔感が大事だから制汗剤くらい買え」
「何しにきた」
「お前はアンポンタンだ」
様々な事を教えてもらいつつ怒られた。
「高速道路に乗れ」
本当は下道をゆっくり登っていく予定だったが1つ乗せてもらうまでの挫折もあり、高速道路で駆け抜けていく事にした。
オジさんには高速道路の近くで降ろしてもらった。
オジさんに感謝をしながら別れてパーキングエリアへと歩き始めた。
遠いな...
降ろして貰った所からパーキングエリアまでは1キロ位はあってまあまあ遠かった